Kuri

ホーリー・マウンテンのKuriのレビュー・感想・評価

ホーリー・マウンテン(1973年製作の映画)
3.6
"リアリティのダンス"以来、二作目のホドロフスキー監督作品鑑賞でした。
前半から悪趣味全開での漫画的展開でストーリーがあるのか無いのか分かり兼ねる作りになっていて、
残酷描写が苦手な自分としては、ヒヤヒヤしながらも楽しく見進められたのです。

排泄物が黄金に変わる様子を丹念に描写する、
なんて中学生みたいな馬鹿馬鹿しさをバランスの良い構図で美しく映像化するなんて!と
ひとつ段階を踏まえた馬鹿馬鹿しさで、呆然としてしまうほど。

そこから続く登場人物紹介シーンも馬鹿馬鹿しさと美しさが織り成す雰囲気が好きで、すごく楽しいんです。

ただ、後半になって
タイトル通りに聖なる山に向かう展開になると、かなり退屈な話に感じました。
最後にちゃぶ台ひっくり返すのも、痛快!と言うよりは、投げ出し!って感じられてしまったし。

唯一無二の作品であることは間違いないので、劇場で観る機会を逃してしまったことを悔やんでしまいますね。
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