物凄いラストカットの強さ。
この気持ちは一体どうまとめたらいいのか。
この事件は80年代に韓国で起こった事件なんだね。レビューし終わったら調べてみよう。
田舎町で起こった連続強姦殺人事件を追う刑事の物語。
ソン・ガンホ演じる昔カタギで暴力での自白強要も辞さない田舎のパク刑事と、キム・サンギョン演じるソウルから来たキレ者ソ刑事。
考え方の違う2人がぶつかり合いながら捜査を進めていくんだけど、この映画において事件の犯人が誰かってことはそんなに重要じゃないんだよね。
証拠もない、目撃者もいない、ほとんど迷宮入り。しかも2人の捜査中にも犯人の手によって次々と犠牲者が。
そんな難事件を捜査しているうちに、事件に人生を囚われてしまった刑事の物語。
前半はソン・ガンホとキム・レハの田舎の粗暴な刑事2人のドタバタ感のお陰で凄惨な事件の割にコミカルに展開するのは「パラサイト」でも見せたポン・ジュノの技術だろうか。ドロップキックのとこ笑っちゃったもん。
しかししかし、後半に向けてどんどんシリアスになって行く息をもつかせない展開の凄まじさ。
真犯人かと思われるパク・ヒョンギュの登場から一転、笑いどころなど全くない。
1人は過剰な取り調べのツケなのか唯一の目撃者と思われた男の死亡に後悔し、1人は自業自得の結果の自暴自棄で脚を切断する羽目になり、1人は信じていた「ウソをつかない」書類に絶望する。
全くもって不条理尽くしの結末。
彼らが捜査に費やした人生はなんなのか。
そしてあのラストシーン。約15年後、刑事を辞めサラリーマンとなったパクの、最後のあの表情はまだ殺人の追憶が彼の中に深々と刻み込まれていることを物語る。
ポン・ジュノ作品は展開のさせ方がやっぱりすごいのかなぁ。前半と後半の印象が本当に全く違う。とは言え、前半もところどころ緊迫感溢れる演出が入るのでダレてしまうこともない。
胸糞が悪い、だけでは片付かないこのモヤモヤは本当に凄い映画を観たなぁと思わせてくれる。
もっと早く観ればよかった〜！
