はなこたちゃん

殺人の追憶のはなこたちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

殺人の追憶(2003年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

1986年から1991年に起き
10人もの犠牲者を出した
韓国初の連続殺人事件
『華城連続殺人事件』を
モチーフにした本作

この作品が製作された当時
未解決だったこの事件は
2006年に時効を迎える
その後2019年に
服役中の男が真犯人であった事が
最新のDNA鑑定と自供によって明らかに…
この真犯人は
『華城連続殺人事件』を含め
14件の強姦殺人の他
30件の強姦罪等の余罪があったという
こうして書いていても
悍ましすぎる


事件発生から2019年までの間
本作でも描かれた様な
杜撰な捜査
暴力・拷問などによる
執拗な取り調べ
不当な扱いによって
容疑者・参考人
そして警察官まで
複数人の自殺者を出したとの事


さらに
『華城連続殺人事件』の模倣犯として
1988年に起きた事件で逮捕された人物は
なんと冤罪だった
裁判で無罪を訴えるも
無期懲役の判決を受け
20年間服役した後
模範囚として減刑され
2009年仮釈放された
2020年に再審請求し無罪が確定
当時関わった
警察 検察 化学捜査班は
何れも罪に問われず…

この事件による
犠牲者のあまりの多さに
言葉を失う
この暗澹たる気分は
まさにこの作品の終盤
暗黒の闇が何処までも続くトンネルの様

連続殺人事件は勿論
冤罪は決してあってはならない

この作品を時効目前に製作した
ポン・ジュノ監督の情念の様なものが
真犯人特定に結びついたのではないか

そしてソン・ガンホのあの目