このレビューはネタバレを含みます
犯行現場には、犯人の証拠が一切ない、、。
わかった!犯人はアソコの毛がない奴だ!
笑った。
韓国映画って基本どんなシリアスな映画にもこういう笑いを入れてくるのね。
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しかしそんな気楽なトーンは、終盤、特にラストに置いてはまったく雰囲気を変える。
1986年事件パートのラスト〜2003年追憶パートまでの虚無感、絶望感、不条理感はえぐい。
DNA鑑定の結果は、、!
雨のトンネル、、!
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「普通の顔」
「よくある顔」
少女のこの衝撃的な皮肉。
ソン・ガンホの表情がフェードアウトしていくときの重すぎる余韻。
心にずっしりのしかかる。
私は、1986年事件パートのすべてが、2003年追憶パートの前フリだったと言ってもいいくらい、本作の“締め方”が好きだ。
そして、見終わった後に、もう一度ジャケットを見る。
ソン・ガンホがやはりこちらを見つめている。
彼の視線が私に突き刺さった。
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ところで、本作が公開された2003年はモデルとなったファソン連続殺人事件も未解決の状態で、時効も成立していない。
つまり現在進行中といっても過言ではない深刻な事件なのに、笑いも交えて映画化しちゃうって、すごいなぁ。
これ見た遺族はどう思ったんだよ。
韓国映画っていい意味でやんちゃだよなぁ。
公開:2003年(韓)
監督:ポン・ジュノ(『パラサイト 半地下の家族』『母なる証明』)
出演:ソン・ガンホ