マヒロ

地下鉄のザジのマヒロのレビュー・感想・評価

地下鉄のザジ(1960年製作の映画)
4.0
パリに遊びに来た女の子・ザジの夢は地下鉄に乗ることだったが、肝心の地下鉄はストライキにより機能を停止していて…というお話。

破天荒百倍増しの『アメリ』とでも言うべきか、とにかくカオスの極みのようなシュールなギャグが連発する、思っていた以上の怪作だった。

意味もなく早回し・逆回し・ジャンプカットが挿入されたり、長々とやってきた展開が全部妄想でしたというオチがついていたりと、生意気なザジの性格を丸々反映するかのように観客を挑発するトンデモ演出が延々と続く。
エッフェル塔の上から風船で降りてくるとか、巨大な磁石で人間を引き寄せるとか、子供の落書きを映像化したかのような突飛な展開をそのまんまやってしまう楽しさ。

ザジの家庭の複雑にもほどがある裏事情とか、ラストのドタバタ劇のバイオレンスに次ぐバイオレンスとか、ブラックなネタも多くて笑わせてもらった。

(2017.42)
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