Foufou

忘れられた人々のFoufouのレビュー・感想・評価

忘れられた人々(1950年製作の映画)
4.0
少年の見る悪夢のシーンは、あれは我々の深層心理にある恐怖の根源的な姿をしかととらえているのではないか。『狩人の夜』の水中に揺れる死体と同じくらいに。悪党のハイボの造形も見事。「子どもより貧困を閉じ込めておきたい」という良心的な感化院の院長のセリフが象徴するように、貧困という環境要因によって堕落する子どもたちを描いて社会派の面目躍如とするところであるし、往時の風俗をよくとどめてユネスコの「世界の記憶」に登録されているらしい。

人物に対する距離感といい、カット割といい、非常に好みの監督。
Foufou

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