J四郎

キングコング対ゴジラのJ四郎のレビュー・感想・評価

キングコング対ゴジラ(1962年製作の映画)
4.1
ゴジラシリーズ3作目にして初のカラー化作品。
観客動員数がシリーズを通して最高で、何と1200万人以上を記録している。物価上昇を考えれば興行成績でも恐らく歴代最高だろう。

今回のゲストはアメリカのスター・キングコング!
東宝が正式にライセンス許可をもらい実現した夢の対決だ。
戦後日本が作った新参者ゴジラが、モンスターの世界チャンピオンに挑む感じだったのかもしれない。
このキングコング、本家と違ってゴリラっぽく見えない。体格もオランウータンのようでオッサン顔をしている。
大きさもゴジラに合わせてえらくデカくなっている。

ハリウッドではコレのリメイクを計画しているようで、2014年公開のGODZILLAと2017年公開予定の新作キングコングが戦う予定だとか。

ドラマ部分のカラーが一変しコメディ要素が強まっている。それに対応するように特撮の対決シーンもどこかコミカルになっているかな?
この明るい未来を信じれた時代性を反映してか、作品のカラーがめっちゃ明るい!

視聴率で苦戦しているマスコミが高島忠夫探検隊を編成して南国へ魔獣を探しに行く。”聴視率”獲得に躍起になって怪獣すら利用する彼ら。加熱するメディア競争を皮肉ったようなドラマ。
この南国の人々はどう見ても日本人が黒塗りした感じで、土人なんて今なら危険な呼称で呼ばれてます。更に探検隊どもは彼らに現代流せば人権団体が発狂するような恐るべき歌を聞かせる!
でも何故か親しくなる。この原住民たちの歌がやけに耳に残る。

今回のゴジラは何か親しみやすい顔になっており、擬人化された怪獣って感じになっている。
熱線を吐くゴジラが圧倒的有利かと思いきや、キングコングも奥の手を持っておりパワフルに応戦する。
キングコングとの対決もついにプロレスっぽく肉弾戦になる。
今回ぶっ壊される舞台は熱海城です。

この映画で一番印象に残っているのが、キングコングが国会議事堂に登るシーン。オリジナルのオマージュだろうけど、議事堂は低すぎた。

どことなく牧歌的な雰囲気漂う今作。僕は好きだけど、特に思い入れもなければ大昔のチープな怪獣映画に見えるかも知れない。
何人かで集まってツッコみながら観るにはいい映画です。
J四郎

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