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影のTTのレビュー・感想・評価

(1956年製作の映画)
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すごく変なサスペンス映画だった。

ある男が突如走ってる列車から飛び降りて死ぬ。普通のミステリー映画だったら、彼が一体何者でなぜそのような行動を取ったのかを紐解いていく。しかし、この本作の場合は検死官や容疑者の身柄引受人の過去が回想され、話は逸れていく。そして、彼らの口から語られるのは第二次大戦中のポーランドでのレジスタンス同士が相打ちや大戦後の政府軍とゲリラの内戦。彼らの物語が交錯する時、ポーランドの激動の時代で暗躍した影が姿を現す。

正直、ミステリーとして観ると食い足らなさは残るが、作り手たちがナチスのトラックが1・2台やってきただけで通りに人っ子1人いなくなるといった、70年前のポーランドの様相を映画で再現し後生に残していこうというのはとても意義のあることではないだろうか。
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