山谷に賭博の利権を持つ国粋会金町一家の傘下組織、暴力団・西戸組。
彼らは手配師として、博徒として、金貸しとして、日雇い労働者たちの金を奪っていく。
こうした「搾取」に対抗すべく、「山谷争議団」が結成された。
この映画の監督が暴力団に刺殺されたというのは知っていたけれど、いやまさかそのマジものの映像があるとはおもわなんだ。血だまりの先に倒れた体はまだ息があった。
制作を引き継いだ争議団幹部山岡さんもまた2年後に銃殺されたという、この作品、曰く付きにもほどがある。
労働者たちの敵はヤクザだけではない。
警察は抗争が起こればヤクザではなく労働者を逮捕する。デモには機動隊を出動させる。行政は劣悪な労働環境を改善しようともせず、大手ゼネコン会社は誰がどう搾取しているかなど把握する気は微塵もない。争議の場での社長のうんざり顔がむかつく。
手配師がつるし上げられる場面はちょっとだけ面白かった。
全体的に何を言っているのか聞き取りにくいのが残念~。
話は釜ヶ崎などほかのドヤ街にもおよんだけれど、九州の炭鉱に強制連行された朝鮮労働者たちの話は別次元ではないかと思った。墓地のあまりの粗末さに絶句する。
人を人とも思わない、ホロコーストにも似た恐怖を覚えてしまった。