山谷 やられたらやり返せの作品情報・感想・評価

山谷 やられたらやり返せ1986年製作の映画)

製作国:

上映時間:110分

3.7

「山谷 やられたらやり返せ」に投稿された感想・評価

マルクスをよく理解するために。
資本論の副読書と言ってもいい。
素晴らしい。隠された過去
バブルに盛り上がる中、裏側山谷や地方の現実が。
完全に山谷みたいな状況が普通となってしまった日本。
全てが目的と経済のために動かされるとともに、コロナで良くわかったがそれ無しでも生活出来なくなってきている。
もはや逃れることの出来ない労働。
決して消えることのない過去の事実、抗争を伝えなければいけない。
資本を勉強する上で学校で見せるべき傑作。
kentaro

kentaroの感想・評価

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これはスゴい。
「地図から消された世界」。だがぼくたちの世界は、こうした労働者によってつくられている。

毎日が闘争。すっかり飼い慣らされてしまったぼくにはとても刺激的でした。

さて、どう抵抗する?
あしたのジョーの舞台にもなった泪橋。
今ではバックパッカー向けのホテルに変身したドヤ。
1984年前後における労務者の姿。ここに撮られた労働争議は最期の輝きだったのかもしれない。このあと騒動が起きた辺りに開店したカフェ・バッハに通うことになるので、自分にとっては懐かしい場所でもある。当時はまだまだ怖い場所だったが。
300余席あるアーカイブが まさかのほぼ満席、こういう映画を観る人が多いとは嬉しいかぎり。
@国立映画アーカイブ

台東区に位置する山谷という場所はかつて日雇い労働者の街で、彼らを搾取しようとする右翼系暴力団と衝突していた。その闘争の様子を内部から撮ったのが今作。

この作品は凄まじいんだけど、何が凄いかって、オープニングで相手の暴力団員に刺されて息も絶え絶えな監督の姿から始まるという凄まじさ…いや、こんな映画他にないでしょ。
監督はその後死亡。日雇い労働者のリーダー格の青年が監督の意志を受け継ぎ、撮影は続行。完成はするものの、またしても暴力団の襲撃を受けそのリーダー格の青年も死亡という血塗られた歴史という背景を持つ作品である。

闘争の内容も今では考えられないほど壮絶で、車が燃やされたりする映像も映っている。

個人的には労働者たちに激詰めされる雇用者や東京都の職員たちの表情がなかなか見応えあって良かった。

山谷という地名はいまは地図から消えている。実は僕はその近所に住んでいるんだけれど、かつて闘争をしていた労働者たちはいまは高齢化を迎えているそう。よくすれ違うホームレスたちもかつてはこのフィルムに映る青年たちだったのか。
美乃里

美乃里の感想・評価

3.5
人間の感情の機微を映し出す映像の連続。
激昂している人の顔や声、そのすべてがよく撮られている。
またこの作品は緩急が明瞭。
緊張感のあるシーンの直後に流れる山谷の夏祭りのシーン、
雪の降る夜に野宿をしていたお爺さんがおじやを前に箸を割るシーンなど、闇の中のほのかな光が映される。
しかし常にそれを光と捉えることが如何に利己的かも思い知らされる。
一秒たりとも心休まることはない。生きている限り怒り続けなければいけないことがある。


2020.1
いやあ凄いもん観た。労働者の顔、16mmのザラッとしたルック、地名のフォントを観てたら東映実録路線を想起してしまった。しかし音楽のセンスが良すぎた。

@国立映画アーカイブ
リアルな血、リアルな死体、リアルな飯、リアルな酒、リアルなタバコなどが映っていた。一部分を我々が日常目にすることはあっても、その奥にある全貌をどうやって知ることができただろうか。満席の映画アーカイブだけじゃまだ足りないだろ。
kyoko

kyokoの感想・評価

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山谷に賭博の利権を持つ国粋会金町一家の傘下組織、暴力団・西戸組。
彼らは手配師として、博徒として、金貸しとして、日雇い労働者たちの金を奪っていく。
こうした「搾取」に対抗すべく、「山谷争議団」が結成された。

この映画の監督が暴力団に刺殺されたというのは知っていたけれど、いやまさかそのマジものの映像があるとはおもわなんだ。血だまりの先に倒れた体はまだ息があった。
制作を引き継いだ争議団幹部山岡さんもまた2年後に銃殺されたという、この作品、曰く付きにもほどがある。

労働者たちの敵はヤクザだけではない。
警察は抗争が起こればヤクザではなく労働者を逮捕する。デモには機動隊を出動させる。行政は劣悪な労働環境を改善しようともせず、大手ゼネコン会社は誰がどう搾取しているかなど把握する気は微塵もない。争議の場での社長のうんざり顔がむかつく。

手配師がつるし上げられる場面はちょっとだけ面白かった。
全体的に何を言っているのか聞き取りにくいのが残念~。

話は釜ヶ崎などほかのドヤ街にもおよんだけれど、九州の炭鉱に強制連行された朝鮮労働者たちの話は別次元ではないかと思った。墓地のあまりの粗末さに絶句する。
人を人とも思わない、ホロコーストにも似た恐怖を覚えてしまった。
一

一の感想・評価

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右翼に殺害された今作の監督が病院に運ばれるシーンから始まる。80年代初め、東京のドヤ街、日雇い労働者の群れ、表向きの歴史ではおそらく黙殺されるであろう闘争の記録。何も知らなかった。
KKMX

KKMXの感想・評価

4.2
本作はヤバかった!一緒に観たゴッドスピードユーとはまったく違う、ガチ中のガチドキュメンタリー!
何せ本作を撮った佐藤監督がヤクザに殺されるシーンからスタートします!しかも跡を継いだ監督も作品完成後に殺されるという、ちょっと凄まじいです。


本作は労働者の街・山谷にて、あらゆる人たちから搾取される日雇い労働者の権利獲得の闘いを描いたドキュメンタリーです。時代は昭和末期。高度経済成長が行き着いて、これからバブルが始まろうという時期です。そんなイケイケな日本において、差別・搾取・抑圧を描いた本作は裏日本現代史という印象を受けます。

労働者の人たちはあらゆる人たちから搾取されていました。マジで彼らを取り巻く人たち(企業・警察・ヤクザ)が基本結託して彼らを抑圧します。労働者は抑圧してオッケーみたいな価値観が伝わってきます。山谷はもともと非人の街だったとのことなので、差別構造がかなり深いところにあるのかもしれません。
彼らの主張は真っ当で、賃金アップや人間尊厳を守れるような生活を保障することです。しかし、それを主張しても警察は鎮圧に乗り出すわ、ヤクザは監督を殺すわで、闘いはハードを極めました。搾取構造を絶対に変える気はない、みたいな体制側のクソな主張がビンビンに伝わってきます。建設会社の社長が登場して、真正面から労働者たちに対して「お前らの主張は認めねー!」みたいに食ってかかるシーンは狂ってますね。マルクスが武力革命を肯定したのもわかるわ!

後半は山谷だけでなく、炭鉱労働者たちの街の様子も撮影されていました。やはり、朝鮮から連行された人たちや部落の人たちがより差別されていたようです。石炭産業の担い手になった彼らに対して保障は十分ではなく、棄民政策と断じていました。


そして、この搾取の構図は現在でも変わらず、むしろユナイトする力が弱まっているため現状は悪化しているとさえ言えるでしょう。ケン・ローチ一連の作品と地続きのガーエー!
労働者のみなさんのセリフがほとんど聞き取れないため観づらくて仕方ないけど(なので点数は辛め)、とにかく凄まじい。観るタイミングがあれば必見でしょう!

Get up, Stand up for your rights!!
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