一夢

リアル・スティールの一夢のレビュー・感想・評価

リアル・スティール(2011年製作の映画)
3.4
ボーイ・ミーツ・ガール以上に心に染みる率が高い映画、それが無責任なおっさん・ミーツ・内気な少年映画である。高確率でおっさんには大人としての責任感が芽生え、少年はいじめっ子を撃退して、おっさんの胸に響く説教をかませるくらい強くなれる。

舞台となる西暦2020年は、人間同士のボクシングが廃れ、より迫力のあるロボット同士のボクシングが主流となり、元ボクサーの主人公は、賭け試合で日銭を稼ぐ生活を送っていたが、ある出来事を切っ掛けに、ロボットオタクの少年と生活を共にすることになる。

上記のストーリーを読んだだけで、お約束大臣や、上級フィルマーカーの皆様は「こんな展開ありそうだな…」と予想を立てられると思うが、悪い意味でそのお約束を裏切りまくっていたのが残念な、非常に勿体無い映画である。
え!?ここまで来てるのに、まだ金が大事なの!?
そこは父親への感謝を告げてから精一杯喜ぼうよ…みたいなムズムズ感がどうしても残ってしまった。

ロボット大国日本の小ネタが満載なのは、観ていてとても面白かったし、途中から主人公は少年でなく、おっさんということに気付いてからはある程度納得できる。何かに熱くなれる男は年をとっても、おっさんの皮を被った少年だということを教えてくれる一本。
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