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リアル・スティールのしゃにむのレビュー・感想・評価

リアル・スティール(2011年製作の映画)
4.8
立つんだ!アトム。
生身の身体だろうが鋼鉄の身体だろうがそこで闘っていたら応援したくなるのが人情です。いちおう男子の端くれである自分はボクシング映画に弱くて物語の見せ場である試合のシーンで見よう見まねでパンチを連打しながら主人公を応援するタイプです。この映画もまた…胸が熱くなりました。異色なのは思わず応援したくなる相手が人間でなくロボットである点でしょう。普通ならバカバカしくてそんなに力みません。しかし今作はもう力まずにはいられません…! ダメ親父とせがれが一緒に闘う。旧型のロボットで最新式のチャンピオンに立ち向かう…すげーありがちな展開…だけどこういうの好きでたまらない。だって男の子なんだもの。
少し先の未来では人間に代わりロボットのボクシングが人気を博していました。将来を有望視されていたプロボクサーのチャーリーは経験を生かしてロボットボクシングで生計を立てていました。なかなかクズな性格で、元妻が死に子供の親権が問題になった時、借金の返済のため叔母に親権を売ります。息子のマックスをお金で売ったのです。条件として叔母夫妻が旅行中にマックスの面倒をみることになりました。利発なマックスはチャーリーがしでかしたことを知っていてきつい口調でチャーリーを罵ります。あぁ…典型的なダメ親父。チャーリーはマックスを売ったお金でロボットを新調して試合に臨みます。マックスはチャーリーは嫌いですがロボットには興味津々。このロボットがなかなか強烈なインパクト。漢字が書いてあります。「超悪男子」言いたいことはわかるけど…外国人のセンスはわからない。息子の前で惨敗します。いいとこなし。またロボットをダメにしたチャーリーはくず鉄置き場で偶然ロボットを発見します。旧式のスパーリングロボット。チャーリーは見向きもしませんがマックスは運命を感じロボットを持ち帰り「アトム」と名付けてボクシングを始めるとチャーリーのサポートもあり勝ちまくります。ボクシングを一緒に闘うことで親子らしさが初めて生まれます。ベタだけど好きだ。そしてチャンピオンの「ゼウス」に挑戦状を叩きつけます…大型のゼウスと小型のアトム、ボクシング用ロボのゼウスとスパーリング用ロボのアトム…胸熱になる状況。ああー燃えます。鋼鉄の殴り合い。問題は装甲じゃなくて心。マックスがチャーリーを見る目が変わった時の感動は…初めて「父さん」と呼んだ時の感動は言い表せません。立つんだ!アトム。試合になれば理屈なんて必要ないです。闘う男がいたら応援を。漢を見せろチャーリー!
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