織田

うしろの正面だあれの織田のネタバレレビュー・内容・結末

うしろの正面だあれ(1991年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

ティッシュを何枚使っただろうか……と思うくらいに、終盤は涙が止まりませんでした。決壊。

子供たちの明るい声が響いていた町に、戦争は影を落としていきます。その"戦時"の日常へ対する侵犯は急にも見えるし、逆に気づきにくい、じんわりとした広がり方にも見え、『窓ぎわのトットちゃん』と近い感触。一方で(お母さんをこき使っているのが時代だなとも思いつつ)家族という単位が持つ影響力の描写は圧倒的で、かよ子の疎開後はもうただただ嗚咽を漏らすことしかできませんでした。
主語や対象を大きくするのは好きじゃないんですけど、地元を再訪するシーンには、これ観て泣かない人いる?とすら思ってしまいました。

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小学生の時に道徳の授業で観て以来の再鑑賞。(DVD化や配信がされてないので動画サイトで観ました。申し訳ないです…)
あの頃はタイトルのわらべ歌も相まって怖いという印象が強く、内容はよく覚えてないのに「惨くて怖い」と自分の中で勝手にトラウマ的な存在となっていましたが、大人側の立場もなんとなくわかるようになった今はもう泣くことしかできない。希望もあるにはあるものの、やっぱり哀しみが圧倒的に上回ります。

最近戦時中の映画をいくつか観た中でも、一番「あってはならないこと」という思いを強く刻まれた作品。久しく敬遠していた『火垂るの墓』も今年は観てみようと思います。
織田

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