めしいらず

あの夏、いちばん静かな海。のめしいらずのレビュー・感想・評価

3.2
壊れたサーフボードを拾ったのをきっかけに始めたサーフィンに次第にのめり込んでいく聾唖の青年の青春。その始まりから終わりまで。何かを始めた時、やる気を挫くような様々なことが起こる。金銭面。新参者に対する古参の揶揄い。なかなか向上しない自分への苛立ち。飽き。何につけても同じなのであるけれど、世の中には”やる者”と”やらない者”がいて、やり始めた人の周りで雑音を立てている者たちは大抵やらないか途中で投げ出す側の人間である。本当にやる人間は、やりたいと思ったその時にすぐ始めるし、言い訳をしないし、ちゃんと継続していく。続けていれば進歩するし、その一生懸命な姿は遠くから四の五の言っていた者たちの心をも動かしてしまう。どんなに下手っぴでも継続することさえ出来ればやがて評価が勝手に覆るものだ。そしていつからか出来た仲間の輪の中に当たり前にいる自分を見つけるだろう。一歩下がって青年を見守り続ける聾唖のガールフレンドとの間で変化する恋心。静かな静かな青春。ただ最後の最後に付け加えられた部分が蛇足に思えて残念。
再鑑賞。
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