めしいらず

カプリコン・1のめしいらずのレビュー・感想・評価

カプリコン・1(1977年製作の映画)
3.5
人類初の有人火星探査計画の裏側で進む国家ぐるみの”やらせ”。砂漠のスタジオ内に作られたセットからの映像。その嘘の片棒を担がされた宇宙飛行士たちが帰還中の探査機(無人である)の事故をきっかけに今度は政府にとって不都合な存在として命を狙われる立場となり逃亡を試みるが…。そしてこの計画の周りで起きている不審な出来事に気づいたジャーナリストもまた命をつけ狙われ始め…。国家の威信が脅かされそうな時、政治はどのように物事を考え行動するのか。国家と同じ秤の上の国民生命にどんな判断を下すのか。如何にも実際に起きていそうなリアルさがあまりに恐ろしい政治サスペンスの傑作。当時も怪しまれていたあの月面着陸ももしやと思わされるだけの真実味があってゾクゾクする面白さ。内容を知ったNASAがこの映画への協力を断ったという有名な話もまた却って陰謀論の火に油を注ぐ形になっている気もするが…。ここに描かれたラストシーン後の展開が一体どうなっていくのか気になって仕方がない。
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