【SF映画史上最長の喧嘩シーンは必見😎】
ずっと気になっていたSF映画。
監督は私の大好きな『遊星からの物体X』も手がけた鬼才、ジョン・カーペンター。
おバカSFのようで実は硬派な要素も豊富で驚きました。
この地球に現実に存在する支配階級や金持ち、エリート達の多くが実は宇宙から来た侵略者で、労働者階級を広告で洗脳して資源を貪っているというSF感満載の突飛な世界観。
面白いのが、”彼ら”の行っている搾取の多くは、我々が”彼ら”の真の姿に気づかない限りは、特別な敵対心を抱くような行為ではないということ。
一部の人間だけが金儲けする構図って、資本主義社会においては致し方ない部分もあると思いますし……。
”彼ら”は確かに地球を侵略してはいますが、あくまで社会の一部に溶け込んで資源を得ているだけで、人間に害をなす存在ではない。
なのに、この映画に登場する主人公や、観ている観客の多くが、”彼ら”に対して強烈な嫌悪感や敵対心を抱いてしまうのは、そのおぞましいゾンビ顔に対する恐怖が理由ですね。
「金持ちってなんか気に食わないよな〜」と思うことはあっても「許せん!皆殺しじゃ〜!」とは中々ならないですが、その正体が醜い宇宙人だと知ると人はいとも簡単に彼らを殺そうと行動を起こし始める。
労働者階級の主人公がサングラスをかけ始めてから、性格が徐々に凶暴になっていくのも、色々と深いです。
はたから見ると、貧乏人が金持ちを殺して回ってるだけなんですよね。
見た目の印象って本当に恐ろしい…😨
そして、こういう小難しい要素もありながら、所々にアホっぽさが滲み出ているのがこの映画がSFファンから高い評価を得ている理由だと思います。
登場人物たちの行動は唐突で不可解、戦いの描き方もめちゃくちゃ強引で、終始気になる所だらけのストーリー。
何より笑えたのが、サングラスをかけさせたい主人公と、サングラスをかけたくないフランクっていう黒人の、単調で長過ぎる喧嘩シーン。
このシーンだけでも是非見て欲しいです!
いや、本当に長いんですよ!(笑)
終わったか?と思ったら、また殴り合って、しかも理由がサングラスかけて欲しいからっていうのがまた、しょうも無い…😅。
なんか唐突に始まったなと思ったら、これ余った尺を埋めてるのかな…ってくらい殴り合って、結局サングラスかけるんかい!
そして、待っていた衝撃の結末。
かなり強烈で笑えるクライマックスでしたね。
いくらでも考察が可能な深い内容と、絶妙なチープさ・アホっぽさが魅力的な映画でした。
主人公さ、絶対に人間も間違えて撃ち殺してるでしょ…😅