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ゼイリブのArbuthのレビュー・感想・評価

ゼイリブ(1988年製作の映画)
2.6
社会派SFとして評価が高く、昔からずっと気になってた作品。
やっと観れたけど、正直観てよかったのかどうかわからない。。
ツッコミどころの多い作品だった。よくよく見てみたら"B級カルト映画として"評価が高い作品らしい。納得。

とにかく主人公が脳筋。
後先考えずにとにかく暴れる。警官から奪った銃をぶっ放しながら街中を逃げまくるリアルGTA。
その後なりゆきで美女を拐かして無理やり家に匿わせるも、脳筋ゆえの口下手であえなく撃退される。。うまく事情を説明すれば味方になってくれたかもしれないのに。

工事現場仲間のフランクも脳筋。
中盤、奴らの正体が視えるサングラスをかけるかけないで主人公と取っ組み合いの大げんか。5分以上ガチのストリートファイトを延々と観させられる。これ何の映画だったっけ?

もっと上手に説明して、平和的にサングラスかけさせろや!と観ててヤキモキした。基本コミュニケーションが暴力なので、色々スムーズにいかない。
あるいはこれは、真実を直視するのはとても困難で痛みが伴うものなんだっていうメタファーなのかもしれない。いや考えすぎか。


この辺で断念しそうになったけど、なんとか(早送りしながら)最後まで観た。
案の定クライマックスも脳筋的なものだった。
でもまあこの当時の映画って大体こんなもんか?あまり脳筋的な展開にはめくじら立てないようにしよう。

あと多分だけど、当時のアメリカの貧富の差やマスメディアや広告の害悪なんかが背景にあるので、ブルーカラーの主人公がホワイトカラーかつマスメディアの代表であるテレビ局を暴力でぶっ壊すという展開がカタルシスになってたのかもしれない。

社会派なテーマと脳筋的アクションのハイブリッドな作品でした。

余談だけど、エイリアンが作中では"they"としか呼ばれてないの、同じジョン・カーペンター作品の『遊星からの物体X』のエイリアン"it"と近いものがあった。
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