フライ

シビル・アクションのフライのレビュー・感想・評価

シビル・アクション(1999年製作の映画)
4.0
実話を元に、企業の環境汚染による訴訟を扱った社会派ドラマは、かなり重い上、精神的にやられるが、とても考えさせられるヒューマン作品にも感じた。
演技派大物キャスト陣にかなり見応えを感じたが、ジョン・トラボルタが被害者側弁護士と言う、若干違和感を覚える役柄ながらも、想像以上に堂に入った演技で良かった。特に加害者側弁護士のロバート・デュバルとの掛け合いが絶妙な上、嫌味を感じさせない設定が素晴らしかった。
利益優先の傷害事件を扱う弁護士が、金になると踏み、工場の環境汚染による訴訟を受け、被害者の悲惨な状況、心情を知り、良心に芽生え心境が変わった事で、自分の首を絞める展開になるのだが、実話と言う事も重なり、観ていてかなりストレスを感じた。ラスト訴訟の顛末が説明されるが、何より弁護士の現状にはかなり痺れた。
環境汚染や会社を訴える事の大変さは、色々な作品でも感じていたが、改めて本作を観て強く感じたし、憤りを覚えた。それ以上に、綺麗事だけでは行かない世の中で、人としての善意を感じられたのが、とても素晴らしく思えた映画だった。
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