このレビューはネタバレを含みます
いろいろ言いたいことはあるが、本作のレビューとは離れるので言うのは辞めておきたい。
ただひとつ。
鑑賞後、菜食主義にならなければ、、と考えることは本作の本質を十分に理解していないように思う。なぜならいわゆる菜食主義は情けの対象を動物に限定しがちで、動物と植物をfairに扱っているとは思えないからである。
しかし、本作は動物と植物を命あるものとして対等に映している。つまり、本作の本質は動物も植物もいのちをいただいているのだからそうさせてもらえることに感謝すること、そのうえで菜食主義をはじめ、どのような選択をするかは個人の自由であることを訴えているのではないだろうか。
さらに、食品を生産している人の時間を消費しているという点から見れば、消費者は生産者の命をもいただいていると考えることもできる。
そう考えるとこういう映像を観て真っ先に菜食主義、その他の主義主張を礼賛するのはあまりにも短絡的だ。礼賛の裏にある自分の中のステレオタイプをまずは疑うべきであり、そうすることでしか本質を理解することも、本質的な決断を下すこともできないのだと私は思う。
ちなみに本作を映画と言えるかどうか微妙なので、スコアは残さないでおきたい。