まっつん

デモリションマンのまっつんのレビュー・感想・評価

デモリションマン(1993年製作の映画)
3.8
荒くれデカが冷凍睡眠から覚めた2032年はとんでもないディストピアだった!1993年シルベスタースタローン主演の逸品です。

本作における2032年は僕個人的にはディストピア映画の中でも結構イヤな世界ですね。そこは徹底的に無菌化された世界であり、汚い言葉ダメ、下ネタダメ、酒・煙草ダメ、セックスダメ、体に悪い食べ物ダメという地獄です。こうなったら僕は息もできないし、福田事務次官なら速攻で冷凍睡眠で100万年の刑に処されるであろう世界です。犯罪や暴力もほぼ根絶されております。そんな中20世紀の感覚のまま冷凍睡眠から覚めたスタローン演じるスパルタン刑事がいきなり警察署内でfuckを連発、すぐさま違反切符を切られる様は非常に愉快であったりもします。

やはり「無菌状態に慣れた人間は馬鹿になる」って事ですよね。特に滑稽なのが警察が凶悪犯を前にして右往左往するシーン。凶悪犯罪は無くなっているのでどう対処すればいいか分からないわけです。そこでタブレットからの指示通り「あのぅ、手を上げて伏せて貰ってもいいですか....??」とか言ってる間にウェズリースナイプスにフルボッコにされるという始末。無菌状態かつ清潔な社会は一見すると完全なるユートピアなのですがそこは人間が思考する力を奪われたディストピアなのです。人間には「愚かな事や汚い事をする自由があってそれを奪われた人生には意味がない」というのが本作のメッセージだと思います。だって楽しくないもん。

とは言いつつ本作はコメディ要素も強くて、「昔ながらのセックス」をサンドラブロックとしようとして怒られて叩き出されるスタローン、睡眠学習で編み物が得意になってしまったスタローン、サンドラブロックの言い間違いをいちいち訂正するスタローンなどスタローン萌えが盛りだくさんでファンには堪らん感じですね。特に本作最大の謎はトイレにある貝殻の使い方!2032年のトイレにはトイレットペーパーというものは無く三枚貝殻が置いてあるだけ!どうやって使うか分からないまま映画が終わるので永遠に謎のままなのです!てか使い方があったとしても貝殻の方が不潔じゃね????