てづか

生きものの記録のてづかのレビュー・感想・評価

生きものの記録(1955年製作の映画)
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最初、この人誰〜?って思って観てたら三船やんけ…ってなって驚いた。なんでこの役を三船で行こうと思ったんだろう黒澤さん。
ていうか3人の愛人に子供1人ずつってなに?????
主人公とんでもねー野郎じゃん…
私の心の中の藤原竜也も「狂ってやがる…ッ!」って言ってました。

でもまあ、とんでもないなりに一方的ではあるけど家族を愛してるのかなあとは思ったけど。悲しいくらいに伝わらない。せめてもっとベースがマトモな人だったらみんな聞く耳を持っただろうに。

水爆そのものの恐ろしさというより、それによって壊れていく家族関係みたいなのを描いているのは分かるんだけど、その家族関係がそもそも特殊すぎて全然分からんかったのはどういうわけだろう?
普通の家族じゃダメだった理由を知りたい。
教えて映画好きな人!!!!

私の実体験で1番死を感じた体験が3.11しかないのでそれを引き合いに出すしかないんですけど、実際に家を流されたり近しい人を亡くしても大抵の人はそれを風化させて生きられちゃうんですよね。その怖さってのはちょっとだけわかる。その点で言えば主人公は1番マトモな人なのだろうと思える。
そうして忘れた頃に悲劇は必ず起こるから、その時に後悔したのではもう遅い。
水爆は人為的なものだから自然災害と比較するのは全然違くて申し訳ないですが…

戦争や水爆の恐怖にさらされながらも正気でいられてしまう方が、本当は異常なのだということは充分に分かった。

何周生きたらこんな映画が撮れるんだろう
よく分からなすぎて凄いや

映画自体がめっちゃ面白いとか楽しいとか思うような映画じゃないけど、この映画にこそ"人間"をみているような気もする。

ラスト、静かに去っていく志村喬さんの背中がシブい。
てづか

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