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生きものの記録のnagashingのレビュー・感想・評価

生きものの記録(1955年製作の映画)
3.5
手前と奥に配置した人物が頻繁に行き交い、ときに前景と後景が流れるように入れ替わる画面のレイヤー感が、愛人から婚外子まで一族大集合する本宅シーンの錯綜した人物描写へと結実する。あきらかに説明過多で説教くさい脚本には胃もたれしそうになるも、時代劇と同レベルに過剰な風と水(雨、ホース、水たまり)の存在感や、工場の放火以後ついにロシア文学めいてくる三船のクドすぎる演技とのバランスが良い意味でとれているので、あまり気にならない。「地球が燃えている!」をスクリーンで観られてよかった。
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