爆裂BOX

プロフェシー/恐怖の予言の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

プロフェシー/恐怖の予言(1979年製作の映画)
3.6
製材業が環境に与える影響を調べる為メーン州を訪れる医師夫妻。そこでは製紙工場の垂れ流す工業排水に含まれるメチル水銀の影響で恐るべき事態が起こっていた…というストーリー。
巨匠ジョン・フランケンハイマー監督によるモンスター映画です。日本でも水俣病で大問題になったメチル水銀で畸形になった熊が暴れまわりますが、前半は主人公の医師ロブと妻マギーが、湖で巨大なサケを目撃したり、巨大化したオタマジャクシを見つけたり、製紙工場やメチル水銀のもたらす影響について調べたりと、公害のもたらす恐ろしさを描くことに費やされていて公害熊はあんまり登場しませんね。タリア・シャイア演じる妻マギーが妊娠中で水銀に汚染されたサケを食べてしまい妊娠していることを知らないロブが水銀が胎児にもたらす影響を横で聞いて不安に苦しむ姿は絶望感と不安感をあおってくれます。公害熊が初めて姿を現すキャンプ中の一家が襲われるシーンは寝袋のまま逃げようとした少年がぶん殴られて吹き飛ぶシーンが中々迫力ありました。
公害熊は全身焼け爛れたようにどろどろの姿はかなりインパクトあります。密漁者の漁網に引っ掛かった畸形化した子熊の姿と鳴き声も中々ショッキングですね。
後半は公害の証拠の為子熊を先住民のキャンプ地に持ち帰ったことから取り返そうと公害熊が襲撃してきて暴れまわってくれます。人間をくわえて振り回したり、腕の一撃で宙高く飛ばしたり頭を食いちぎったりと中々の暴れっぷりも見せてくれます。主人公達が逃げ込んだ小屋をめちゃくちゃに破壊する所も結構迫力ありましたね。
子熊をさっさと返せばいいのに連れて歩いて子熊に噛みつかれたらアッサリ湖に沈めちゃう所は「え、結局殺すんかい」とツッコんじゃいました。後、熊との戦いも結構アッサリ片が付いちゃいましたね。
ラストはお約束な感じで終わりましたが、これで一気にB級っぽくなった気も。微妙な後味の悪さが残るのはマギーのお腹の子供にどんな影響が出るかはっきりわからないまま終わるからでしょうね。
公害批判というシビアなテーマを扱い、重く真面目に描かれてるのでモンスター映画のケレン味が足りない気もしますが、公害熊のビジュアルなどは今見てもインパクトあってモンスター映画ファンなら一見の価値はあるんじゃないでしょうか、