TAK44マグナム

ローグ アサシンのTAK44マグナムのネタバレレビュー・内容・結末

ローグ アサシン(2007年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

我らがジェット・リー演じる謎の殺し屋ローグと、無敵と言ったらこの人!みたいになっているジェイソン・ステイサム演じるFBI捜査官クロフォードが激突するようでしないアクション映画。
それにしてもこの二人、けっこう共演しているよね。

親友のトムとその家族をローグに惨殺されたクロフォードは、事件から三年後に再びローグの仕業と思われる事件にかかわることとなる。
日本の大物ヤクザのシロー(石橋凌)と、チャイニーズマフィアのチャン(ジョン・ローン)が対立、そこに暗躍するローグの影。
ローグの巧妙な罠によって、二つの組織は翻弄され、ついにはシローとチャンも破滅する。
はたしてローグの真の狙いとは何か?
クロフォードは執拗にローグを追うが・・・・・

お話は割と凝っていて良いです。
なにより、ローグの行動が終始不可解で、退屈しないような話を引っ張ってくれます。
それでいて、ちゃんとしたオチを用意していて好感度アップ。
オチについても、納得できるものでオーケー。
だけど、観る側が期待するのは主演二人の大激突なわけですよ。間違いなく。
しかしながら、何度かの小競り合いのあと、ラストで二人は対峙するわけですが、期待したほどのバトルは見られず終い。
確かにちょこっとだけ、ぶつかりあったり、殴りあったり、鎖で首しめたりはしますが・・・・・消化不良この上ない幕引きにビックリですよ!

そのかわりと言っちゃなんですが、珍しい対戦がいくつか見られます。
石橋凌VSジェット・リーの日本刀対決とか!
ケイン・コスギVSジェット・リーの対決とか!

石橋凌とのチャンバラは良い感じ。この映画の中で一番本格的なバトルでしたね。
ケインは、すごく足があがって、これまた魅せてはくれるんですが、とにかく瞬殺されすぎ!
車のホイール投げられて死亡って・・・酷い扱い。
役名もないみたいだし・・・・・
中ボスみたいな感じだったら良かったのにねえ。
ちなみに石橋凌VSケイン・コスギのチャンバラもあるけど、ここでもケインは酷い扱いを受けます。マジでケイン、可哀想。

でも、やっぱりメインイベントのジェットVSステイサムをもっとちゃんとつくって欲しかったなあというのが素直な感想。
ドラマ上、仕方ないところもあるのは分かるけれど、ステイサムの役の立ち位置が中途半端だからいけないんだと思う。
ネタバレになっちゃうけど、ワルならワルで、もっともっとワルにしてしまえば、二人が戦う理由づけが出来て、きっとすごいバトルが見られたと思うんだけど。

ローグの正体についても、正直いって中盤には分かっちゃったし、なんかもっと巧く作れなかったのかなあと、少し残念。

それにしても、意外なキャストがケインとかの他にも結構いて、そういったところは観ていて楽しめた。本当は、そんな事で楽しめちゃダメなんだけど!
デヴォン青木やらジョン・ローンやらサン・カンやら・・・
そう言えば、デヴォン青木とサン・カンは何げにワイスピ組だなあ!
ジョン・ローンさんは、なんか久しぶりにお会いしましたね。
キャストと言えば、ルーシー・リューの名前がエンドロールにあったんだけど、どこに出ていたのかまったく分からず。
というか、本当に出ているなら、ルーシーこそアクションシーンで絡んで欲しかった!

あと、楽しめた・・・というか、笑えたのが、劇中の日本語!
日本のヤクザ側は当然だけど日本語を使う訳で、実に怪しいカタコト日本語をしゃべります。
はっきり言って、なんと言っているのかほとんど聞き取れないので、日本語の台詞の時にこそ日本語字幕が欲しいという珍現象が起こっております!
石橋凌だけは当然、日本語巧いんですが(あとケインもあんな感じだけどまあまあ)、娘役のデヴォン青木が吹き替えにも拘らず片言なので、純日本人親子の会話のはずなのに、親父がちゃんとした日本語で、娘が変なイントネーションの片言っていう素敵な状態!
親父は何故不思議に思わないんだ??
そして、驚くのが、ジェイソン・ステイサムまでもが日本語を話す場面が登場します!
日本語を話せない刑事にむかって、「アジア街で刑事やってんなら日本語ぐらい話せなきゃいかん」とか何とか文句たれるんですけど、やっぱり何言ってんだからワカラン怪しい日本語だったりするもんだから、もう滅茶苦茶笑えますよ!
確かに日本語ですけど、英語で出る字幕を訳さないと何言っているのか分かり辛いなんて、なんていう本末転倒!
ハリウッドから見たヘンテコ日本の描写の数々もあって、日本人には辛い映画ですな!
いまどき、ヤクザの刺客が忍者風だしね!

総合すると、まあまあ良くできた部分もあるけれど、そんなに気分爽快な映画ではないし、期待したバトルが消化不良なのが痛いので、評価はそこそこです。

※再レビュー

huluにて