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グッド・ガールのGreenTのレビュー・感想・評価

グッド・ガール(2002年製作の映画)
2.5
大ヒットTVシットコム『フレンズ』でキラキラ輝いていたジェニファー・アニストンが主演で、タイトルが『グッド・ガール』、どう見たって口当たりの良いラブ・コメって感じしますが、この閉塞感。昔は、この映画を観て身に詰まされる人は大人なんじゃないかと思ったけど、今は若い人でもこういう出口のない人生を送っている人増えたんじゃないかなあと思う。

主人公のジャスティーンは、大学に行くチャンスがあったのに、当時のボーイフレンドと別れたくなくて、この田舎町に残った。今30歳になって、結婚したそのボーイフレンドはペンキ塗りの仕事で生計を立てている。自分はディスカウントストアの店員。

ジャスティーンは、退屈で将来の見えない人生にウンザリしているんだけど、この人って若い時から流されて生きていて、節目節目で正しい選択をして来なかった人だなあって思う。でも私も20代の頃は、今なんとか形が整っているのは運が良かったからとしか思えないようなアホな生き方していたから、ジャスティーンを責められない。

しかし今振り返ってみると、10代後半から20代前半にやっていたことが30代、40代でひっくり返すことができないよな、ってつくづく思う。

ジェイク・ギレンホール演じるホールディンも、引きこもりで大学にも行かず、22歳にしてディスカウントストアで働く以上の人生はもうあり得ないだろうなあ~と思わせる。本だけが自分の友達、小説家になりたい、って思っているけど、自己憐憫の作品しか書けないし、才能なさそう。

この映画に出てくる人は、みんなどん詰まり感を抱えて生きている。『フレンズ』や『セックス・アンド・ザ・シティ』が流行った傍らで、こういう生活していた人はいたし、今もいるんだなあ~とくら~い気持ちになってしまうし、私も、この人たちほどではなくても同じような絶望感がある。

ジャスティーンの男運の悪さもすごいなあと思うんだけど、良く良く考えてみると、こういうところに生きていたら、手に入る男がそもそも価値のある男なんていないんだよね。まあ、旦那のフィルも、ジャスティーンが「TVのノイズがうるさくてムカつく。なおしてよ!」というと、それをちゃんと憶えていて直してくれる。でもそれって、TVうんぬんよりも日々のうっぷんがそこに出ただけであって、TV直してくれても遅いんだよね。しかも、結婚生活が上手く行けばいいとかそういう問題でもない。ジャスティーン自身が、何が不満で、何が理想なのかも、全くわかっていないんだから。

ラストはコメント欄に隠します。
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