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ザ・フォッグのHKのレビュー・感想・評価

ザ・フォッグ(1980年製作の映画)
3.5
ザ・フォッグ、“霧”ですね。ミストじゃない方です。
スティーブン・キングの『ミスト(原題:The Mist)』の原作本が出たときのタイトルも“霧”でしたけどね。
フォッグの方がミストより濃いそうですが、私には違いはどうもハッキリわかりません。
映画では『ザ・フォッグ』と『ミスト』は全く別物ですが。

ということで、本作も大昔に見たような見ていないような曖昧な記憶で鑑賞。
ある港町に濃霧に潜んだ謎の殺人者たちが現れ人々を襲います・・・
え~と謎らしきものもちょっとありますが、とくに気になりません。はい。

最初の方は全く記憶にないので、人が殺され出す後半からしか見てないかもと思ったら、もう序盤からいきなり人殺されてますね。
スグにことが始まり全くお待たせしないムダのない展開。
B級の王道さすがカーペンター。

いま観ると思ったよりスプラッタしていませんね。
もっと血がドバッと出てエグイ描写も多いかと思ったんですが。
近年のどぎつい描写のホラー作品に慣れてしまったよくない傾向ですね。
低予算のせいか怨霊たちは引きの画面が多いような(特殊メイク:ロブ・ボッティン)。

音楽はいかにものカーペンターズ・・・じゃなくてカーペンター・サウンドですが、今回『遊星からの物体X』にちょっとだけ似た雰囲気の部分があるように感じました。
エンニオ・モリコーネはカーペンターの好みを知り尽くした上で、その要素を活かし、それをモリコーネ流にアレンジした結果があの物体Xの曲だったのかも、なんて思いながら観てしまいました。

主演が誰か微妙ですがやはり当時のカーペンター婦人エイドリアン・バーボーでしょうか。
ジャネット・リーとジェイミー・リー・カーティスの親子共演も貴重。
ハル・ホルブルックはこの時期よく出てましたね。
ジョン・ハウスマンまで出ていて意外とけっこうな豪華キャストでした。

怪奇小説短編集の1編といった趣。寝る前にちょっと読むのによいような。
本作はフィル友のさやかさんがカーペンター作品の中でもお気に入りの作品でした。
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