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劇場版 仮面ライダー555(ファイズ) パラダイス・ロストのインターネットイケメンのネタバレレビュー・内容・結末

2.7

このレビューはネタバレを含みます

個人的には好きな作品。TVシリーズとは異なる、独立したパラレルワールドでの話。

好ましい点から上げていくと、大迫力の戦闘シーン。新しいライダーが二人増え、主人公と敵ライダーとのアクションはCGも派手(褒め言葉)。登場キャラクターの人柄もTVシリーズを周到していて、木場率いるオルフェノク三人衆は人間のために戦うし海堂さんは驚いちゃうほどちゃんとしててかっこいい。
個人的に思う好ましくない点をざっくりと上げると、話の進みが少し雑に感じる。まず設定がオルフェノクが栄え人間が虐げられている世界線なので、もうびっくりしちゃうくらいTVシリーズとはテンションが違う。
あからさまな伏線を張ってはいるけれど回収されることはなく『結局あの設定なんだったんだ…』と視聴後も疑問が胸に残ったままだったり…
TVシリーズでもあった登場人物の説明不足、言葉足らずによって生じるトラブルもあったりと、シナリオに対する疑念は拭いきれず致命的なようにも感じる。

が、先に話したアクションシーンがとにかくかっこいい。斬りかかってくる敵の攻撃を剣で受け流しながら必殺技のチャージを済ませ胴抜きで倒しちゃったりする。砕けた言葉で言うなら『コレやったらかっこよくない?』というのをやってくれる。シナリオの悪いところを補ってくれるくらい魅力的なもんで、ここが本当にズルい(個人的な意見)。

細かい設定もTVシリーズとは異なっていて、ベルトも本来の『オルフェノクの王を守るためのガジェット』としての側面が強く出ている(気がする)
怠そうに戦うたっくん、人のために戦うオルフェノク三人衆(特に海堂のかっこよさが際立っている)、敵の嘘を驚くほど信用して人間に絶望する木場等を観ていると、『TVシリーズを一本の映画に圧縮した物』と受け取れなくもない。
総括すると、話は致命的だけどかっこいいアクションシーンで全部チャラにしている感じ。けれどTVシリーズを観て『555大好き!』という人に勧められるかと聞かれれば少し悩む。555を観ていなければあまり楽しめなさそう…難しいところである。
とりあえず海堂さんが好きなら観て損はない。そんなイメージ。