ふぇりな

未知への飛行のふぇりなのレビュー・感想・評価

未知への飛行(1964年製作の映画)
3.8
博士の異常な愛情に似てるとは思いましたが、こっちのほうが先だよな?と思っていたらまさかの同年公開でしかも裁判やって負けてる?みたいな話が出てきてびっくりしました。
個人的には本作のほうが好きです。よりシリアスで、鬼気迫るものがありました。むしろ、鬼気迫りすぎて二度と観たくないくらい怖かったです。でも、こういった恐怖は現実に(ほぼありえないしあってはならないことではありますが)なくもないと思うので、観ることができてよかったです。

BGMがほとんどなく、印象的な音があのキーン音…そういった音の演出が、余計に恐ろしさを加速させています。直接的なシーンを映さなくても、恐怖を訴えるその技量…すごすぎます。
まさに冷戦真っ最中という時期に、このような作品を作ることのできた社会だったからこそ、今日まで続いてくることができたのかなと思いました(とはいえ、戦争はなくなっていませんが…)。相当批判的な内容ですし、当時作ることができたのはすごいと思います。

兵器が、人の制御を超える。機械に頼りすぎた。兵器を持つ限り責任は付きまとう…。本当にその通り過ぎて何も言えません。人間ほど愚かな生き物って存在しないんだろうな、なんて安直なことを思ってしまいました。
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