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綿の国星のBaadのレビュー・感想・評価

綿の国星(1984年製作の映画)
3.6
このアニメ、公開当時知っていたのかな?
原作は読んでいたのですが、近い時期に発表された大島弓子の他の作品ほどインパクトはなかったのですが、普段あまり少女漫画読まないような人の評判が妙に良かったので最初の数編はなんどか頑張って読みました。連載最後まで追っていたという記憶はないので多分途中で飽きたのでしょう。記憶の中では『夏の終わりのト短調』と完全に混じってますが、まるで正反対の漫画のようですね。

で、フォロワーさんに勧められて見たこの映画ですが、楽しかったです。
原作補正が入っているのでラフィエルはさほど変に感じませんでしたが、お父さん以外の男性の登場人物がことごとく変で閉口しました。
キャラクター的に好きなのは鈴木ぶち猫くんとお父さんと三つ編みかな?

娘と見たのですが、三つ編みトキオのどこが良かったのかな、と不思議に思いましたが、ふわふわしてこだわりのなさそうなところが良かったのかな?

猫の動きとか、猫から見た世界は斬新でしたが、今の猫事情が変わりすぎてしまって、都会に住んで猫飼っている人にははチンプンカンプンの世界なのでは?と思ったりもします。そもそも今は猫にミルクあげたりしませんよね。

一番好きなシーンは煮干しくわえたチビ猫が空を飛ぶ映像の、チビ猫の夢についてのひとり語り。

猫採りは最初にこの漫画を読んだ頃は存在を知りませんでしたが、その十年後ぐらいに飼い猫が狙われて困るというのがワイドショーネタになったりして、ああ、未だ存在してるんだと思った覚えがあります。

チビ猫の世界が人間のものとも猫のものともつかない曖昧な面白さとか、大島さんのこの時期の漫画としては比較的エッジが鋭くないところが受けたのかと思いますが、原作、最初の数編を除いては私は傑作とは思いません。(同時期の『バナバブレッドのプディング』とか『〜ト短調』は過激で素晴らしかった。)

だだ、ワンピースにピナフルというカトリック系お嬢様学校の小学校の制服みたいないでたちにくしゅくしゅソックスを合わせたチビ猫のスタイルは当時はすごく斬新で、猫にそれを着せるセンスにとても感心したことを思い出しました。

季節の中の人や動物の緩やかな成長を描いたこの世界はそれ自体独特で優れているとは思うのですが。

それと、今と大きく違うもう一つが猫アレルギーの描き方。今だったら猫が苦手かどうか関係なく、アレルギー症状だけの話になりますが、昔は隠喩ならぬ比喩的な病が実際に存在していたのですね。あるいはトラウマの言い換えかもですが。

どうしたら猫がトラウマになるか、とつらつら考えたら、原因いくつか思いつきましたが、今はあんまりそういうのに遭遇するチャンスはないかなと思い至ったりしました。(猫の交通事故の跡を見ちゃったというのが一番辛いかもと思う。)

このサイトでは表示されていませんが、アマプラで見られます。
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