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ヘアーのmiiのレビュー・感想・評価

ヘアー(1979年製作の映画)
3.8
軍隊に入る前にオクラホマからNYへとやって来たクロード(ジョン・サヴェージ)
乗馬練習中のセレブ シーラに見とれ
ヒッピーとも出会い ひょんな事から交流が始まり
彼がするはずであったNY観光は一変する。

ヒッピーのカルチャーは人種差別も性差別もない。
歌もダンスも型にはまっていない まさにフリーダム!
しかし「アクエリアス」の馬のダンスが!上手なのよ!

彼らがセレブのパーティーに紛れ込んで
「固まるな!溶け込め!」には笑ったわ。
どう見ても浮いてるw
ヒッピーのリーダー的存在バーガー(トリート·ウィリアムズ)は
あんた達のようなセレブのために クロードは戦争に行くんだ!と言ってのけるが
彼ら全員勾留される(笑)

世間は知らん顔 口先だけ。
バーガーが家に帰れば 髪を切れ!ジーンズを洗え!と頭ごなし。
でも 彼らは自由だ!と歌うのよ。

しかしながら 女房子供を捨てたヒッピーの描写もあるんだよね。

若者が軍隊の入隊審査で 全裸にさせられているのを
「ブラック」「ホワイト」と裸を見て喜んでいるように歌ってるのも
切り口が面白い。
その審査が本当に必要なのか?皮肉っている。

「俺はバカだが 人に銃は向けない。何のために戦争に行くんだ?」
「君のためだ」とスティーブはバーガーに答えるが
「俺のために戦うのは迷惑だ!」と切り捨てられる。

かくして スティーブは入隊してしまうのだけど
ヒッピーにとって 自由の象徴でもあるヘアーを
友情のために潔く髪を切るバーガー。
ここからの展開は 驚きだった。

スティーブや軍人さんが車を取られちゃうとか
聖体拝領の白いパンのように ドラッグを口の中に入れられたりとか
ハチャメチャでもあり 笑いもありながら
ラストはどすん!と落としてくる。

自由な振る舞いをしているかのようなヒッピーの流儀の中に
強い反戦メッセージが込められていた。
mii

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