色褪せたレトロ感が好み。
暗闇に浮き上がる二人の大人のシルエットさえ艶めかしくて
ウォン・カーウァイならではの映像美と
雰囲気を味わう作品でもあるように思う。
二組の夫婦が同じ日に引っ越してきて
チャウとチャン それぞれのパートナーが不倫している事が分かる。
お互いにパートナーが居る事から
節度をわきまえつつ
寂しさから 二人は時間を共にする事が多くなっていく。
溺れるような事なく 一線を置いている二人の距離感が
逆に新鮮に感じてしまう。
いけない関係であるけれども
奥ゆかしさを感じる上質な恋愛を見せられているかのよう。
二人は想い出を選択したけれど
未来を選ばなかったのは
過去の婚姻関係の恐れもあったのかな。
子供の事でシンガポールにいるチャウを訪ねたり
チャウが以前住んでいたアパートに訪れてみたり
けれど 二人は会えなかった。
想い出で生きていけるって
女を美しくさせるような気がする。
そういう相手が居る事で
あの時の忘れられない彼を想い
しあわせホルモン セロトニンが分泌して
女を若々しくさせる効果はあると思う。
マギー・チャンのチャイナドレスと
凛とした佇まいの美しさに見惚れてしまったな。
背中で魅せるいい女というのかなぁ。
彼女を見て 歩き姿により気をつけようと思った次第です。
