矛盾の中に成り立つ哲学的映画
女性が性的消費の対象にされる映画が苦手な私だけど、園子温の映画はなぜか心に響いて、好き。
私が嫌悪しているものを超越した概念があるように思える。
たとえば、スカートがめくれてパンツが見える女の子や、胸が開いた服を着ている女性が出てくる。だけど、それをエロだ!と受け手が受け入れること自体が、女性への侮蔑になりえるのでは?そんな問いかけも受けとれる演出。
女性は露出した服を着てはいけないって公言することって、「女性は性消費の対象でしかない」って言ってるのと同じなんだよね。
体が露出されていても、それをただのお色気シーンだと受け入れさせない、何らかの工夫が、園子温はしているようだ。
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前半の暴力ずくめの場面から一転、染谷将太が父親に暴力を振るえなくなるところもすごい。
理性というものが目に見えるような気がした。
だけど受け取り方は、人それぞれな気がする。
問題提起的なストーリーが、ぐっときました。