真田ピロシキ

釣りバカ日誌の真田ピロシキのレビュー・感想・評価

釣りバカ日誌(1988年製作の映画)
3.5
昔はTV放送の常連だったのでシリーズの大体は何となく見たことがある。昔と今では見え方が違う。釣りばっかりしてるダメ社員として作り手にも受け手にも認識されていた浜ちゃんがちっともダメじゃないどころか理想の努め人とすら言える。後のシリーズでは例外があった気がするが仕事サボってまで釣りしてる訳じゃないし、たまには成果も上げている。そして夫婦共働きせずに生活できる収入がある。本社転勤前の高松では家を持っていたほど。通勤ですら余裕がある。あらゆる面で死んだ魚のような目で長時間労働と貧窮に喘いでいる現代の社畜より勝っている。人生楽しんでこそですよ。一生懸命な人ばかりじゃつまらない。余裕があるからこそ人に優しくなれるし、不幸せそうな爺さんだったスーさんにも良い影響を与えられる。浜ちゃんは何ら否定される存在じゃない。竹中平蔵やワタミブラックはこの映画嫌いだろうけどね。浜ちゃん的ライフスタイルをもっと真剣に喧伝出来ていれば今のようなブラックジャパンにはなっていなかったかもしれない。何がモーレツ社員じゃ!「24時間戦えますか?」だと?無理に決まってるだろバカ!

長寿シリーズだが1作目なのでこれで完結した作りになっている。浜ちゃんスーさんの黄金コンビはまだ途上なのは物足りないが、マンネリでない瑞々しさがあり釣りに魅力を覚えたスーさんのような気分で見ていられる。課長のパワハラやセクハラ(勘違い)のように今ではコメディで済ませられない描写もあって無条件には肯定出来ない。あとお馴染みの合体演出は当時からしてオヤジ臭くて苦笑。そこら辺を見直してリブートしても良いんじゃないだろうか。何なら釣りに拘らなくても構わない。