半兵衛

フューリーの半兵衛のレビュー・感想・評価

フューリー(1978年製作の映画)
3.0
物語は意味深なことばかりしているわりに行き当たりばったりで破綻気味ではあるけど、デ・パルマ特有のハッタリが効いたカメラワークや編集が決まりまくっているのでそれなりに楽しい。そして『キャリー』を継承しつつもより深く描かれた超能力もインパクト十分。

でもハリウッド黄金期の大スターカーク・ダグラスとアメリカのインディペンデント映画を代表するジョン・カサヴェテスが対立するという興味深い構図が全く映画に生かされていないのはいただけないし、カサヴェテスが支配する組織がハッタリを効かしているくせに出てくる奴らの少なさといい小さい企業みたいな規模しか感じないので話がショボくなっている。何より悪役カサヴェテスが超能力者を集めて何をしたかったのかわからないってどういうことなの。

でもそんなドラマのもやもやもラストの人体爆破でぶっ飛んで気分が晴れやかに。

あと超能力者であるヒロインエイミー・アーヴィングの同級生に『スプラッシュ』で有名になるダリル・ハンナ(この作品がデビュー作)がいるのも見所。
半兵衛

半兵衛