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ザ・ブルード/怒りのメタファーのblacknessfallのレビュー・感想・評価

4.1
クローネンバーグは好きなのたくさんあるけど、一番観てるのってこれかザ・フライなんだよな。
怒りの感情が肉腫になってそれが生き物的なもんになり怒りの対象に襲いかかる。精神の変容が身体にも変容をきたすって概念を突き詰めた怪作だよ。
しかし、まだCGもなく低予算だから特殊メイクにさほど金をかけた感じじゃないのに肉腫のぐちょぐちょブヨブヨしたキモい質感とかブルード(怒りの具現化の子供?)達の不気味な表情とか今見てもグロテスクさは色褪せないね、予算のなさをセンスで補ってるんだね、見事!
センスと言えば凍てついた冬が舞台で雪も軽く積もってるから画面が白っぽいんだけど、それを差し引いても白いんだよな、室内とかも。あまり派手ではない流血を鮮烈にする狙いでわざとこの色調にしたのかな?
でも、これに限らずクローネンバーグの映画はひんやり冷たい感じの画質な気もするからわからないな笑

あと、スキャナーズはガンガン続編作られたのにブルードが作られないのが不思議、作れそうな不穏なエンディングなのに。
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