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ヘルレイザー4のblacknessfallのレビュー・感想・評価

ヘルレイザー4(1996年製作の映画)
2.5
3と同時放映だったから4も録画するわけさ。

前にも何回も書いてるが再鑑賞はスジを追う必要がないため画面の端っこや小道具なんかに意識が持っていきやすいので思わぬ発見があることがある。
今回もあったよ。これが本作のクライマックスと言っていいぐらいの衝撃だった。

オープニングの監督のクレジットが"アラン・スミシー"名義になってたんだよ‼️Filmarks上ではケヴィン・イェーガーになってるけど。
アラン・スミシーてことは監督が何ならかの理由で監督にクレジットされるのを拒んだ場合に用いられる符丁。
なのでアラン・スミシー監督作は失敗作、駄作、トンデモの宝庫だというのはよく知られた事実だけど実際、そのクレジット名を見たことがなかった(正確には見たけど気づかなかった)から衝撃受けたよ!「かの有名なあれだー😆」てな。

でも、喜んでばかりいられない。スミシー名義てことは本作はダメダメの可能性が極めて高いわけだからな。正直、初見時もダメだこりゃ、な印象だったしな。
大人になり感性の振り幅も寛容性のレンジの広がった今観るとまた違った印象を受けるかも知れない。

2127年、宇宙ステーションをジャックしようとしたポール・マーチャント博士は拘束されクルーの女性に語りだす。
マーチャント一族とセノバイト(魔道士)の何百年渡る戦いの歴史を。
18世紀のフランスでマーチャント博士の先祖のマルションは凄腕の家具職人。黒魔術に傾倒する貴族の依頼で作ったパズル・ボックスが地獄の扉を開くツールだと知り、セノバイト(魔道士)の手からパズルボックスを守るべく魔道士の王ピンヘッドと戦う。その戦いは時を超え現代のアメリカ、そしてここ2127年の宇宙ステーションで最終対決を迎えることになる。

なんか異様に話がスケールアップしてるんだよ。それにまったく後付けで拵えたパズルボックス誕生秘話と家具職人一族VSセノバイトという19世紀のゴシックホラー的な設定。それに未来を舞台にしたSFまで足してる。
意気込みだけは買えるけど、肝心のパズルボックスの因縁がつまらない。黒魔術傾倒貴族も妙にゲスで安いし、黒魔術儀式の結果誕生した永遠の命を持った美女アンジェリクも物語の重要な位置を占めるんだけどどんな存在なのかよくわからない。ピンヘッドから「姫さま」と呼ばれるから、魔界の姫なのか?
マーチャント一族VSセノバイトも回想されてみると各時代にアンジェリクがマーチャント一族の男にパズルボックスお寄越し、そして魔界を開くのよん😍と時にエロく(セックスで誘惑)時に猟奇的に(マーチャントの息子を人質にする)迫るというヘルレイザーみがまったくないもので混乱する。そもそもこの設定自体本作から唐突に現れたもんだしな。

頭のいい人ならちゃんとスジが追えるのかも知れないけど、おれにはよくわからなかった。
途中、現在(2127年)に話が戻りつつ過去が明かされ、いよいよマーチャント博士とピンヘッドが宇宙ステーションで対峙する。
これから暗黒でゴシックでゴアな最終決戦が展開される。と期待したんだけど、圧倒的な魔力のピンヘッドは自身の勝利を確信し、本シリーズのテーマである痛みと快楽、善と悪の相関性をお得意のもって回った大仰な言い回しで演説する。ここは本来のヘルレイザーみがあった。
絶体絶命のマーチャント博士、このままピンヘッドは魔界を現出させてしまうのか?
たっぷり演説して悦に入ったピンヘッドが振り向くとマーチャント博士の姿はない!窓を見る避難艇に乗ったマーチャントの姿が。
ピンヘッドが対峙していたのは立体ホノグラムの偽物で本物のマーチャントは避難艇いた。
その瞬間、マーチャントが仕掛けた自爆装置が起動し宇宙ステーションもろともピンヘッドは宇宙のチリと消えました。めでたしめでたし。こんな初期スタートレックのカーク船長のセコいトンチ作戦みたいな終わりでいいのか?それまでわけわからないゴシックホラーもどきを見せられて、、これ一体なんなんだ😫?

初見時よりもなんか許せない気持ちが強いな。
アラン・スミシーを嘗めていけない…
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