かつて、刺した監督と刺された警官…
素直におもしろい。
細かいところが全て吹っ飛ぶようなラストカットに思わず「マジか〜」と声を漏らしてしまった。
しばらく固まってたかも。
17歳の時に警官を刺して4年半投獄されたという過去をもつモフセン・マフバルマフ監督。
およそ20年の時を経て、その時に刺した警官が自宅を訪ねてくるとこから物語がはじまる。
元警官は当時の事件を映画化したいと言い出し、それにマフマルバフ監督も賛同し、互いに若き日の自分を演じる役者のオーディションを開催。
そうして選ばれた青年2人に、それぞれが付きっきりで自分たちの過去の事件の話をして、演技指導をする。
ただ、元警官が映画を作りたいと言い出したのには彼なりの理由があって。。
結局どうなる撮影?
ってなる後半は何故だか知らないけど、観ているこっちもドキドキワクワク。
時間軸を操作したり、急にメッセージ性が込められたワンシーンを入れてきたりといった粋な演出もあって、それも興味深かった。
そして迎える最後の瞬間。
登場人物たちのそれぞれの思いが交差する先に訪れる結末に目を奪われる。
今まで観た映画の中でもかなり好きなラストカットだったかもしれない。
かつて、自分なりの方法で反体制派として闘おうとした監督。
そして、映画監督になった現在(当時)は、どのようにして社会を変えようとするのか。
その監督の意思を全て汲み取れたかどうかは分からないけど、少なからずは響いた。
原題は無垢の瞬間?