佐藤克巳

ガラスの中の少女の佐藤克巳のレビュー・感想・評価

ガラスの中の少女(1960年製作の映画)
4.5
浜田光夫、吉永小百合の日活青春路線のスタートとなった若杉光夫監督の記念碑的傑作。二人の瞳がキラキラ光った少女漫画の様な設定だが、当時の社会状況が滲み出て心中に至った経緯が胸に刺さる。裕福な大学教授の家庭で何不自由無く育ったが義父信欣三と実母轟夕起子との幸福感の相違に悩む吉永と、極貧家庭の町工場職人で家出した浜田が、湖上のボートで心中を決意。二人の真剣で清々しい演技が素晴らしかったが故に人生の虚しさが染みる作品。
佐藤克巳

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