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秒速5センチメートルのriyouのレビュー・感想・評価

秒速5センチメートル(2007年製作の映画)
3.6
東京の「生活保守」的リアリティがある。
彼らの底には諦めがある。バブル崩壊後の日本を包む諦め。俺たち世代を覆ってる。
本当は会おうと思えば会えたはずだし、電話やメールや手紙なんでもあった。でも始める前から、彼らは年齢に似合わない諦念を持っていて、叶わないことを望んでいた。

ロケットの打ち上げにだけ希望を感じる。国家や会社や家族や恋人などの近中距離のコミュニケーションは不全になっている。彼らは「会話」をしていない。ただそれぞれが「独白」が積み重ねているだけだ。会話なんかできないあまりに遠い宇宙の果てに向かって独白をしている。
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