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ラスト サムライのhitomaのレビュー・感想・評価

ラスト サムライ(2003年製作の映画)
3.2
すごい好きな映画という訳でも無いのに、時々見たくなる、ラストサムライはそんな映画だ。時代考証は滅茶苦茶で史実と大きく異なるストーリー。それでも初めてまともに日本の歴史を偏見無く描こうとしたハリウッド映画として本作には大きな価値がある。それは間違いない。そもそも日本人が作る時代劇にだって史実と異なる部分は大いにあるのだし、それは世界中の歴史物の映画やドラマに共通なのだから大した問題ではない。さすがに侍たちが火縄銃すら使わず重たい甲冑に見を包み、室町以前の弓と日本刀だけで近代化された新政府軍に突っ込んでいくのはどうかと思ったが。実際はここまで使用兵器に格差は無かったはずだ。

しかし、侍の名誉ある死に大きなテーマを置いておきながら、それとは相反する主人公のラストには納得がいかない。侍の死生観に魅せられるストーリーなのではなかったのだろうか。ラストまではかなり良いと感じていただけに、ここまではっきりとラストシーンだけに違和感を覚える映画も珍しかった。
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