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クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦のhitomaのレビュー・感想・評価

4.0
言わずとしれた『クレしん』の名作映画。丁度自分が小学生で、時期的にもよく見ていたと言うこともあって、この作品まではよくクレしん映画を観ていた。特に『ブタのヒヅメ』からこの作品までの5作品は、今は懐かしいビデオテープが擦り切れるくらいに何度も観た。そういった子供時代に好んだ作品は大人になってから観ると案外呆気なく感じたりするものだけれど、やはり名作は違う。むしろ、この作品は大人になってから観ると逆にとても良く出来ていたんだなと感心してしまう。

単純なチャンバラで終わらない正確な合戦描写や本格的な時代劇を彷彿とさせる家中の人間関係。それでいてロマンを感じさせる身分の差に阻まれた恋。スポンサーから大反対された戦国時代の現実を突きつけられる衝撃的なラストシーン。ただの子供映画と思って観てはいけない。子供映画によくもまあこれだけのクオリティの時代劇的要素を取り入れたものだ。90分と言う尺が惜しいほどだ。子供向けだからなのかもしれないが、120分にしてもっと内容を掘り下げても良かったのではと思えるほどだ。懐古主義的と言われればそれまでだが、この時代の子供向けアニメは、ドラえもんにしろ、コナンにしろ、クレしんにしろ、本当に名作揃いだったなあと思う。

思い返せば『めちゃイケ』と並んで子供に見せたくないTV番組の常連だった『クレしん』。当時はそんなの関係ないだろとか思っていたけれど、自分が親になってみて、なんとなくその気持ちは分からないでもない。確かに子供に“ケツだけ星人”は真似してほしくない。それでも、この映画作品はいつか我が子と一緒に観てみたいなあと思う。まだ映画が観られるほど大きくなってはいないけれど、いつかこの映画を一緒に観たとき、我が子がどんな感想を持つのか、今からとても楽しみだ。
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