RAY

巴里のアメリカ人のRAYのレビュー・感想・評価

巴里のアメリカ人(1951年製作の映画)
4.2
“芸術への愛”


ジーン・ケリーのダンスには愛が詰まっている。
あらためて、そう感じました。
どうしてこの作品が長きに渡って多くの方を魅了し続けるのか。
そのこともあらためて分かった気がしています。


この作品において最も大切なことのひとつは、芸術に対する敬意だと思います。

絵を描くこと、音楽を奏でること、歌を唄うこと。

様々な芸術への敬意が示されています。
そして、その敬意を素晴らしいダンスと歌で表現するのが、ジーン・ケリーをはじめとした、素晴らしいキャストです。
多くの方が書かれている様に、ラストのダンスはこの映画のすべてと言っても過言では無い程、たくさんの素晴らしいが詰まっていると思います。

表情だけでない、声だけでない、身体すべてから溢れる様な喜びや悲しみや情熱が観る人を圧倒します。


また、パリと言う舞台は、美しい芸術の街としてのパリへの称賛。
そして、“身勝手”とも取れるストーリーもまた、愛は芸術であると言うことなのかと思わされます。


この映画はただの“ミュージカル”ではありません。
すべての芸術に対する愛を、そこかしこに散りばめ、“ミュージカル”と言うこれ以上ない表現で示した映画なのだと思います。


2020年、劇団四季のミュージカルにおいても公演が予定されています。
是非観に行きたいと思っているのですが、今回の鑑賞でその気持ちがより高まりました。


素晴らしい映画です。

観て良かった。
RAY

RAY