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どですかでんのbrianのネタバレレビュー・内容・結末

どですかでん(1970年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

貧しくても精一杯生きる人たちをユーモアとシリアスに描いて、笑ったり涙が出たりする作品🎬

六ちゃん(頭師佳孝)は毎日定時刻に路面電車を走らせる運転手。発車前の点検も怠りない。雨の日も石を投げられても遅延しないように安全運転を心掛ける。
「どでどでどでどですかでん」と線路のポイントが切り替わる音に迫力を感じる🛤

登場人物が多くて全部コメントしていたら終電に間に合わないので印象的なシーンだけを停車🚃

日雇い労働者の益夫(井川比佐志)と初太郎(田中邦衛)が大酒飲み過ぎてベロンベロンに酔って呂律が回らないわ千鳥足で歩くわでリアル過ぎて可笑しい。おふたりの熱演に拍手👏

陰気で全く喋らない平さん(芥川比呂志)と過去に犯した罪を涙で詫びるお蝶(奈良岡朋子)の場面が舞台劇のような感覚で見入った。平さんの眼が死んでいた…🛖

彫金師で人生の達人たんばさん(渡辺篤)と人生に疲れ果て死にたいと漏らす老人(藤原釜足)の場面もそれと同じ感覚で見入る。最後はオチで終わるが、死んだら夢も見れないよね💊

本作品は興行的に失敗し、黒澤監督は大きな借金を抱えることになった。
その頃の日本は高度経済成長期のど真ん中。「家付きカー付きババア抜き」という流行語も生まれた。もう、戦後の苦しくて貧しい世の中におさらばした日本人はこの映画を評価しなかった。社会とその人たちに石を投げるべきだ🪨

https://youtu.be/uUgAMxdGGOM
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