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スパイダーマンのとがぴのレビュー・感想・評価

スパイダーマン(2002年製作の映画)
5.0
数多のスパイダーマン映画の初手として完璧な導入を描いた作品。

蜘蛛の力を得て舞い上がるも、強盗を見逃した事により最悪の不幸に繋がってしまい、同じ頃に親友の父親が悪魔として目覚めた事による人間関係の崩壊が丁寧に描かれている。

ピーター演じるトビー・マグワイアの感情の機微も凄まじい演技力を放っており、印象的なシーンを幾つも作っている。幼年期に観た時は卒業式の後に部屋で「叔父さんに見てて欲しかった」と静かに泣いてた姿が凄く印象に残っていた記憶がある。

ダニー・エルフマンによる劇伴も大変素晴らしい。特に「大いなる力には大いなる責任が伴う」という本作最大の名言が出る2つの場面で流れるあのメロディは後々の2作目、3作目にも継承され、サム・ライミ監督版スパイダーマンシリーズに於ける重要な要素の1つになった。

ヒーローの力を得る事が必ずしも幸せに繋がるとは限らない、その葛藤が幼年期の自分に強烈なショックと価値観に一石を投じた、そんな作品。
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