「アクション映画」でもあり、「戦争の悲惨さを描いた映画」でもある。
悲嘆、という言葉が似合う映画です。
ランボー、ついてません。というか、当時の情勢によるものだとは思うんですけども。
なんと、街へ食事に行っただけなのに保安官にイチャモンつけられて逮捕されます。
しかも、不幸なことに保安官たちは典型的な権力を盾に好きなことするタイプの方々だったので、逮捕後の扱いもまあひどい。力と権力で押さえつけられ、刃物を向けられ、ムチで打たれ……。それによって、ベトナム戦争でのトラウマを思い出してしまうランボー。ブチギレです。
そりゃキレるわ！という状況なんだけど、そこからはもう無双。1対複数なんて思わせない戦いっぷりを見せてくれます。
↑だけ見たらアクションコメディ？と思うのですが、ランボーはとても悲しい人なのです。
ベトナム戦争で心身ともにひどく傷つき、多くのものを失ってきた中で必死に生き残ってきたにもかかわらず、日常に戻ったかと思えばこの有様。
周りは「戦争帰りの流れ者」として邪険に扱う。戦争はやはりつらかった。仲間が毎日のように死んでいく。終わりの見えない日々。でも、国のために命を賭けて戦った英雄のはずなのに（それの是非は置いといて）、社会は彼らを受け入れない。社会に帰還してもなお疎外感はランボーを苦しめ続けている。
終盤のランボーの苦しそうに心情を吐露するシーンは必見です。
