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人斬りのniwarieのレビュー・感想・評価

人斬り(1969年製作の映画)
4.1
久しぶりに家族揃っての夕飯時に母が映画観たいとこの映画をチョイス。。。

えっ?!夕飯時に観る感じの映画じゃなくない?!と言いつつもいやー凄いですね昔の日本映画の格好良さって。
夕飯もくもくと食べて、早々に観入りだしてしまった。

ぜんぶの画の構図と照明がヨーロッパ的な匂いを放ちつつ、
役者陣も往年のハリウッド俳優並みの顔の濃さもありつつ、なので照明が映える映える。(横顔とかもう!今この照明の映画作ってほしい。顔がドーンっと映ってればいいってもんじゃない話をちょうど照明部の方としたばかり)

それでもやはり日本画っぽくもあったりして、静と動が同時に画面に存在するってすごいなと。もしやこの感覚は日本人にしか撮れないんじゃなかろうか…きっとタランティーノはこの感じをいつも追い求めてるんじゃないかしら……
そして余計なもの、いや必要なものしか画面に写ってない。トリミングっぷりに惚れる、、ほんとにぜんぶの画が格好良すぎた。
話もけっこう長いんだけど、観入ってしまってたので100分くらいに感じました。あと曲がウェスタン調なのもいい!

途中、今だったらCG部分になるんだろうな、という空想的シーンが登場する唐突さとか鈴木清順っぽかったな。
三島由紀夫のシーンはその後を知って観るとなんともいえない感じで鬼気迫るとはこーゆーことなのかと。

この時代の映画はフィルムなんだろうけど、今と変わらない1シーン毎の別カット数の多さに驚いたし、黒色の色の深さが溜息出るほど美しいのはやはりフィルムのおかげなんでしょうか、、

(RGBだと色を足すほど白くなるのでフィルム本来の色=黒さが成せる技だと思われる。CMYKに例えると《リッチブラック》=CMYK各々100%で黒一色より混色することで艶やかに。だから昨今のデジタル映画だと黒色と茶色が潰れがちになってしまう…)

るろうに剣心のワイヤーアクションより、スターウォーズの若きヨーダ戦闘シーンよりも、殺陣のキレや撮影してる目線が素晴らしく鳥肌ものでした。
返り血を浴びない方法とかもう目から鱗です。
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