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リトル・ミス・サンシャインのhirogonのレビュー・感想・評価

4.0
個性が強くバラバラだった家族が、娘の参加する”リトル・ミス・サンシャイン・コンテスト”に同行して車で会場に向かう過程を描いたロードムービー。
途中の色んなハプニングを乗り越えて、家族の絆が深まっていく様子が微笑ましい。

ニューメキシコ州アルバカーキからカリフォルニア州レドンドビーチまで800マイルの道のり。オンボロのフォルクスワーゲンのヴァンで走り抜けます。1マイル=1.6kmですから、1300km弱!やっぱりアメリカ広い!

同乗するメンバーは、以下の6人。
・フランク・ギンスバーグ(スティーヴ・カレル)~シェリルの兄
・シェリル・フーヴァー(トニ・コレット)~フーヴァー家の母
・リチャード(グレッグ・キニア)~フーヴァー家の父
・ドウェーン(ポール・ダノ)~フーヴァー家の息子、兄
・オリーヴ(アビゲイル・ブレスリン)~フーヴァー家の娘、妹
・エドウィン(アラン・アーキン)~フーヴァー家のおじいちゃん

冒頭、シェリルは兄フランクのいる病院に駆けつける。フランクが自殺未遂で病院に担ぎこまれていたのです。

フランクは、
大学でプルーストを研究していたが、同性愛者で相手の教え子をプルースト研究のライヴァルである、ラリー・シュガーマンにとられて落ち込み自殺未遂。フランクは大学も辞めています。

シェリルは、
フランクを当面フーヴァー家で面倒見るつもり。シェリルは、お母さんとしてフーヴァー家の要。

リチャードは、
”人生成功マニュアル”の本を出版しようと奮闘中。彼自身にとっても人生を左右する大きな挑戦です。

ドウェーンは、
パイロット志望で、志望の実現まで”無言の誓い”を立てて、9ヶ月間も喋っていないという設定。
ポール・ダノ、じわっと笑えるなぁ。

オリーヴは、
”リトル・ミス・サンシャイン・コンテスト”の州予選を通過して、本選に出場することに。おじいちゃんと仲良し。

エドウィンは、
老人ホームを追い出されたらしい。ホームも扱いづらい頑固者だったようです。オリーヴがコンテストで披露するダンスは、おじいちゃんの振り付け!
アラン・アーキンのおじいちゃん、さすがの演技です。


(以下、ネタバレ)
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コンテスト会場に向かう途中、色んなハプニングが発生します。
中でも大きいのが、ある朝起きると、おじいちゃんが亡くなっていたという大事件!

それでもコンテストに参加するという事が家族の大きな目標になっていたリチャードを始めとする面々は、コンテストに向かいます。
何と、亡くなったおじいちゃんを車のトランクに乗せて!

ドウェーンは、オリーヴとの遊びの中で”色弱”であることが判明し、フランクから「パイロットにはなれない」と指摘されます。
彼は、落ち込み、暴れます。そして、パイロットになれないと分かって、”無言の誓い”も破られます。やっと、ドウェーンの声が聞けます(笑)

何とか、受付時間ギリギリで会場に到着した一行。ここからも、色々とあります。
まず、受付時間をわずかにオーバーしていると言われて、なかなか受付してもらえません。
ようやく受付も済み、コンテスト本番。

でも、周りの参加者に比べて田舎者の雰囲気が漂うオリーヴを見て、リチャードやドウェーンは彼女が傷つくことを懸念して「コンテストを途中でやめては?」と意見。
オリーヴは続けたいようです。そして、特技の紹介では、オリーヴはおじいちゃん直伝のダンスを披露するのでした。

この弾けたダンスには、お堅い審査員からクレームが出ますが、会場を巻き込んで踊りきります。
やるべきことをやった充足感が漂います。オリーヴにとっては、おじいちゃんと練習したダンスを踊らないわけにはいかなかったのでしょう。

コンテストが終了して、おじいちゃんの死後対応も済み、すっきりした顔で帰路に着く5人。いい旅でした(笑)
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