おけい

ハンニバル・ライジングのおけいのレビュー・感想・評価

ハンニバル・ライジング(2007年製作の映画)
3.6
若きレクターを演じたギャスパーウリエル。今年、スキー事故でお亡くなりになってたのですね…。37歳。これから俳優としても円熟味が増して活躍の場が広がってただけに残念でなりません。彼の出演してる映画は本作しか観たことないのでこれから観ていきたいと思います。

あのレクター博士の生い立ちと、何故狂人になってしまったのかが描かれています。そしてレクターに愛する人達が居たことも。愛する者が無惨に奪われた事に対する復讐の物語でもあります。

悲惨な戦時中の少年時代のトラウマ。逃亡兵達に妹ミーシャを殺され、カニバリズムの狂気を目の当たりにするハンニバル。無力な自分を恨んだであろうし、青年になってからも心に影を落とす心理描写が丁寧に描かれる。

収容所のような孤児院から逃げ出したハンニバルは叔父の居るフランスに行くのだが、叔父は他界、叔母のムラサキ(日本人)の世話になるという設定。鎧…刀…

ここで、少し怪しくなる(笑)往々にして、外国の映画で日本を描くと一気に安っぽくなるからだ。

とは言え、ムラサキが愛情があり強い女性だったのでハンニバルを武士の精神で鍛えはじめるぐらいで、刀や鎧のアイテム以外はそんなに協調されてないのでギリセーフ。

後のレクター博士の身のこなしや力技は武術を習得していたからだったのね。そこに頭がいいもんだから医学奨学生になり、存分に人体解剖に励むのであった。

そして妹ミーシャを殺めた兵士達を探しあて、一人ずつ復讐していくハンニバル。叔母ムラサキの制止も効かずやり遂げる。

狂人ハンニバルレクターの誕生である。

当然、レクター博士が何故狂人になったのか知りたい気持ちもあったけど、謎に包まれたままでもよかったのかも…と少々複雑な気持ちにもなった。
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