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群衆のBaadのレビュー・感想・評価

群衆(1941年製作の映画)
4.3
バーバラ・スタンウィックが、
とにかく美しい。

男女雇用機会均等法以前の仕事の出来る女代表みたいな美貌と仕草がハマっている。
50歳台後半以上の人当たりのいい女性事業家って、日本でもこういうタイプの人が多いような気がしますが、この辺がロールモデルになっているんでしょうか。
彼女の出演する映画の中では、『教授と美女』『荒野を歩け』とならんで、とびきりの美しく生き生きと芝居をしていて、彼女の芝居を見るだけでも充分楽しめます。

ゲイリー・クーパーはかっこうよさでは『つばさ』、可愛らしさでは『教授と美女』のほうが勝っていたと思いますが、この作品のさりげなく心の揺れを見せる演技もなかなかでした。

世界中がポピュリズムとファシズムとコミュニズムの間で揺れていた時代にあって、理想を持って生きる事の難しさと。どのようなかたちならそれがあり得るかをきちんと描いていて中々骨のある映画だと思いましたが、先に『素晴らしき哉人生』を見てしまっていたため、ラストにかけて少し退屈してしまい、その辺がすっと入ってこなくて、頭で考えて「こういうことか」と理解するかたちになってしまった事が少し残念でした。

物語のテーマより、主演の二人と周辺の人物の演技を楽しむような見方を楽しむ結果になったのでこの点数です。

『素晴らしき哉人生』をまだ見ていない人は先にこちらから見た方がストレートに楽しめると思います。(DVD)

(2011/9/3記)
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