キルスティン

横道世之介のキルスティンのレビュー・感想・評価

横道世之介(2013年製作の映画)
3.5
YouTubeにて宇多さんの今作"吉高由里子演技絶賛"ワードだけはちょいちょい目にしていて気になりつつ、未だ邦画食わず嫌い傾向があるためわざわざは手を付けずにいましたが、BSでやるってんであちらさんから歩み寄ってくだすってありがたやありがたや。

で、はい、「横道世之介」。
観始めるまで知らなかったのですが、1987年という時代設定が良かったですね。それだけでテンション上がる。
あと、個性強めの役者が出ているにも関わらず、いい具合にクドさスパイス抑え気味で出過ぎてなくてそのあたり大変見易かったです。作品が目玉焼きなら役者が醤油入った醤油さしで(私はソース派ですが)、監督(演出)が醤油さす人で、演技という醤油を良い加減に出していて、またその醤油が気取ってなくて旨くて、ちゃんと横道世之介という人物そのまんまのほっこり庶民的な味に仕上がっている。
なんだけど、吉高由里子はやっぱ吉高由里子で吉高由里子なんだよなぁ。醤油の中で一人マヨネーズなんだけど、終盤、大人になった吉高由里子の演技は良かったよ。あれ?カロリーハーフになってる?年齢に合わせてちゃんとね。
綾野剛のキャラが大好物の"アレ"で良い。
池松くんがバカリズム。
個人的に一番良かったってかもう大好きなのは世之介の住むアパートの隣の隣の部屋の住人江口のりこ。登場シーン、合計5分あるかないかだけど、めちゃくちゃ良い!やっぱ大好き。余談やけど、江口のりこ主演ドラマ「野田と申します。」は良かったよな〜かなりの傑作やよな。野田に出てる安藤サクラも良かったし。

物語としては、切な良い感じでジワ〜と泣ける。見終わった後も映画と自身を重ね合わせ、言葉にできない感情に染々浸り暖かくなる作品。
ツッコミ箇所や共感しにくい面もありこのスコアですが、全然食える邦画作品でした✌️
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